現在、日本において男性18歳・女性16歳になったら親の同意があれば結婚が可能ですが、成人年齢を20歳から18歳に引き下げるという民法改正のタイミングで男女の結婚年齢も18歳に統一する法律が整いつつあります。
この記事を読んでいる高校生は「親からの独立」と期待するでしょうし、すでに成人している方は関係ないと思うかもしれません。
しかしそんな方に限って意外と直面するもの、自分の子どもが18歳で「結婚する」と言い出したらあなたはどのように考えますか?!今回のテーマは結婚年齢について、これまでどうして2歳の年齢差があったのか?!
法律が改定される経緯など、疑問に思ったことをまとめていきます。
結婚年齢の男女差について
そもそも、肉体的・精神的に未熟な者同士が夫婦になっても幸せになれませんよね、健全な家庭を築くために多くの国が結婚年齢を法律で定めています。
他の国がどうであれ、日本においては下記を読んでいただくと女性が16歳で結婚可能という法律はいまの時代に合っていないのかなと思われるはずです。
【女性は家を守るもの】70年前の価値観のまま
現在日本では男性18歳・女性16歳を超えたら親の同意を得て結婚が可能(現段階で未成年は同意が必要)と法律で定められているのはご存知かと思います。
なぜ女性の方が2歳若く設定されているのかというと、精神的に成熟しているからとの見解からだそうですが、この法律は1947年に制定されてから約70年改正されていません。
確かに法律制定当時、戦後間もない混乱の時代に男子はともかく女子にお金をかけられる家庭は少ない、中学校を卒業したら家事手伝いをしながら家を守る心得を母親から教わるなどし嫁入り準備をする女性や家庭の事情から高校に進学せず就職する女性も少なくありませんでした。
もちろん大学へ進学する女性も少なかったし、結婚と同時に寿退社し家庭に入るのは当たり前、ましてや出産後に子どもを姑や保育園に預けて社会復帰する女性に寛容ではありませんでした。
昭和後期でも専業主婦が多かったし平成初期においても「女子は短大でいいんじゃない?!」という感覚でした。今では考えられませんが「自動車は男性に運転してもらうもの」という考えもあったくらいなので違和感を覚える人が少なかったのでしょう。
2歳という年齢差があったのも稼ぎ頭である男性が経済的に落ち着いたほうがよいという考えなのでしょう。
しかし、多くの女性が社会進出している平成の時代においてこういった考えは合わないし、昔と違って18歳の男性が経済的に落ち着いているかというと、そうではありませんよね。
いちばん遊びたいし色々な女性と付き合いたいしバイトをして貯めたお金を自由にしたいお年頃で不安定な時期、女性だって同じです。
ちなみに現在の日本において18歳未満で結婚する女性がどれくらいいるかというと、全体の1%に満たないことが人口動態調査で判明しており女性の結婚年齢を2歳引き上げたからと言って大きな景況はないことが考えられます。
この年齢差については国連の女子差別撤廃委員会から性差別であると勧告されています。
先進国では日本と中国だけ
日本以外の先進国が法律で定める結婚年齢はどうかというと現在、イギリス・イタリア・ドイツでは16歳(3国とも成人年齢18歳)、フランス・スペイン・韓国などは18歳(成人年齢19歳)です。
中国では男性22歳・女性20歳(共に成人年齢18歳)、アメリカはどうかというと州によって異なるという自由っぷり、21歳が多い(結婚年齢を13歳からにしていたり定めていない州もあったりする)です。
ただこうやって見ていると先進国で結婚年齢に男女差をつけているのは日本と中国だけ、国連に勧告される理由がわかりますよね。
成人年齢が引き下げられるタイミングに合わせる
前の項目で少し触れましたが、2021年には法律改定により男女共に成人年齢が18歳に引き下げられます。この法律も約140年ぶりの改正になるのですが、18歳で成人になった若者は新たに何ができるようになるのでしょうか?!
この機会に、生活に関係することをいくつか挙げます。
- 婚姻が可能
- 選挙権
- スマートフォンの購入
- 自動車の購入
- 自分でローンが組める
- パスポートの取得が可能
- 民事裁判の申し立てができる
先ほどからお伝えしているように婚姻が可能になるしローンが組めるようになるのでスマートフォンや自動車も自分で購入することができます。完全に親が知り得ない大きな買い物が増えますね。
選挙権も与えられる、こちらは賛否両論でマスコミにもよく取り上げられている案件ですが国は若者たちの社会参加を早めるためという考えを示しています。
これまで定められていた女性16歳・男性18歳の年齢差では女性は未成年でも結婚できるのに男性は成人しないと結婚できないという差をなくすために18歳に統一したということがわかります。
飲酒・喫煙等はこれまで通り20歳からですが、改正時に18歳になった方は急に大人になった感じがしてワクワクするでしょう。
この改正に伴い影響を受ける法律は200を超えると言われており法律に関する仕事をしている方は大変でしょうが、18歳19歳が関わる犯罪やトラブル(現在法制審議会で議論が続いている)に巻き込まれない限り普通に生活をしていれば一般人の私たちにとっては大きな変化はありません。
しかしながら・・・
18歳になったら親の同意なく結婚ができるようになっても、学生同士の結婚はどう考えても親や周りの援助が必要だし心身ともに不安を抱えるので、このご時世に早く結婚をしたいと考える人は少ないでしょう。
また、昔と違って女性の行動に制限はないし早く結婚して遊びやキャリアを中断しようとは思いません。女性を代表して言わせてもらうと、ある程度自由にお金を使って旅行して遊んで、自分もパートナーも苦労しない程度のお金を貯めてから身を固めたいと思います。
さらに結婚したカップルの3組に1組は離婚するというデータがあることを多くの人が知っているので「無理に結婚する必要はない」「慎重に」と考える人が多いから初婚年齢(現在は男性31歳・女性29歳)も年々上がっているのでしょう。
- 何のために結婚するのか?と悩むすべての人のために
結婚は簡単じゃない
芸能人が出会ってすぐの相手と「入籍しました~」と報告するのを見かけますよね。こう見ると結婚って一見簡単そう、たしかに一定の基準(婚姻適齢年齢・重婚でない・近親者でないなど)を満たしていれば届け出をすれば結婚はできます。
しかし、結婚するということは自分はもちろんですがパートナーの人生に大きく関わるということを理解しなくてはなりません。
この記事を読んでくださっている未婚の方に結婚の意義を知っていただきたいので、法律を一部ご紹介します。
- 協力・扶助の義務
- 婚姻費用分担義務
- 貞操義務
結婚したら生活を共にし協力することが当たり前、いいときもあれば悪いときもあり、相手が体調を崩したときは看病しなくてはなりません。また結婚生活には家賃や食費などの費用が発生します。
もちろん収入の多いほうが負担する額が増えますが、ふたりで協力しなくてはなりません。時には親戚やご近所づきあいや子ども同士のトラブルや進学等で頭を悩ませんることもあり、夫婦で話し合う場面が増えるでしょう。
さらに、こちらも当たり前ですが配偶者がいるにもかかわらず他の人と性的な関係を持つことは許されません。生活を共にしていくうちに異性としてではなく人生を共に歩むパートナーと化すので性生活も減少しますが相手を裏切るような行為はしてはいけません。
こういったことを違反したからといって懲役刑や罰金が課されるわけではないけれど(配偶者から慰謝料を請求されることはある)法律で具体的に定められているのを知っておくべきです。
考えたくありませんが離婚する際に上記のような義務を怠っていると、たとえ相手に非があっても立場が悪くなります。
若くして結婚するメリット
結婚適齢年齢が法律の改正で下がることや結婚にまつわる法律をご紹介しましたが、決して早婚を否定しているわけではありません。
結婚をしたらこれまで遊んできたことを制限したり金銭面で我慢を強いられたりすることがありますが、それ以上に幸せを感じる瞬間がたくさんあるからです。
現在晩婚化していますが将来の社会情勢はどうなるかわからない、早婚のメリットを挙げます。
- 嫉妬からの解放
- 体力的に楽
- 若いパパママは自慢
- 子どもが早く巣立つ
- 早く落ち着くことで仕事に専念
好きな人と早く結婚することで「異性の友だち多くない?!」「自分しか見ないで!」といった若い人特有の嫉妬や不安に苛まれることはありません。
また、若く体力があるうちに出産と育児ができるので子どもをたくさん欲しいカップルにとっては大きなメリットです。子どもにとっても若いパパ・ママは自慢ですよ。さらに、早ければ30代で子どもが成人するので社会復帰も早くできます。
若いころに金銭面で苦労するかもしれないけれど、子どもが巣立った後は働いたお金を夫婦で自由に使うことができます。そして、男性は精神的に早く落ち着き仕事に専念できる・肝がすわるとも言われています。
同世代が遊んでいるときに家事や育児に追われるのは少しストレスかもしれないけれど、これは価値観の問題、友だちが30代40代で生活と育児にヒーヒー言っているときに夫婦で楽しく生活できるほうがいいと思う方もおられますよね。
結婚は出会いとタイミング
法律が改正され2021年には18歳で男女共に成人、結婚して住宅ローンや自動車ローンが組めるし選挙にも参加でき自分の考えが反映されるのは嬉しいこと、早く独立したい方にとっては好機ですよね。
ただ、人によって幸せの形は異なります。18歳で運命の人に出会うこともあれば42歳で出会うこともある、年齢に関係なく結婚はタイミングなのかもしれません。
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